BRAND

なぜ¥290+税に
こだわるのか。

PHOTO — 神田の朝

nono coffee のホットコーヒーは ¥290+税。これは、創業時に決めた、ブランドの「契約」のひとつです。
原価が上がっても、人気が出ても、当面は変えません。理由を3つに分けて書きます。

1. 「毎日来れる」は、機能ではなく約束。

コーヒーが ¥500 のとき、人は「今日はやめておこう」と判断します。
¥290+税のとき、判断は「あ、今日もか」になります。
この境界を超えるかどうかで、毎日のリズムに入れるかが決まります。

私たちは、「毎日来れる場所」を作りたいのであって、「特別な日に行く場所」を作りたいわけではありません。
だから、価格は機能ではなく約束です。

2. 値段の安さは、品質を下げる理由にならない。

よくある誤解は、「安い=粗悪」です。
これは、ふつうの店舗運営なら正しいです。
けれど、私たちは粗利率を一定確保するために、運営の側を徹底的に絞っています。

メニューは少なく、注文は早く、動線は短く。
広告費は基本かけず、SNSと街の動線で回す。
こうして無駄をなくすことで、100%アラビカを ¥290+税で出すという、矛盾しているはずの設計が成立しています。

3. 値上げで利益を取る前に、無駄を絞る。

これは、私たちが100店舗を目指すうえで重要な規律です。
外部要因で原価が上がるとき、最初に検討するのは値上げではなく、運営の改善です。
それでも足りない場合に、はじめて価格を見直す。

この順番は、ブランドの信頼度に直結します。
「あの店は気軽さを忘れない」という認識を、長期間維持できるかどうか。
それは、ブランドが「街にいる」資格を得続けられるかどうかと、同じことです。

「毎日来れる」は、機能じゃなくて、ブランドの契約だと思っている。

おわりに

¥290+税は、見た目には小さな数字です。
でも、これを守り続けることが、nono coffee がいちばん大切にしている仕事です。
この値段で、ちゃんとしたコーヒーを、毎日、出し続けること。

それが、街の毎朝に対する、私たちの返事です。

READ NEXT

COFFEE

100%アラビカ、ということの意味。

2026 / 04 / 12

← JOURNAL に戻る